オーダーサイクルジャージ 最大手のBIORACER(ビオレーサー)メディアサイト

BIORACER

YOUは何しにベルギーへ? vol.1

YOUは何しにベルギーへ? vol.1

国内屈指の強豪アマチュアチームROPPONGI EXPRESS。彼らがビオレーサーを使い始めて5年ほどが経った2024年の1月、ROPPONGI EXPRESS代表の高岡亮寛氏と、ビオレーサーの国内代理店であるクランノート代表の和田智裕がベルギーへ渡航、ビオレーサー本社にてフル採寸による高岡氏専用のフルカスタムジャージを製作した。なぜわざわざベルギーまで行く必要があったのか。高岡氏と和田にインタビューを行い、その理由を聞いた。

ROPPONGI EXPRESSとビオレーサーの関係

――そもそもですが、ROPPONGI EXPRESSはなぜビオレーサーを使い始めたんですか?

高岡:2018年か2019年に、ある人の紹介で和田さんとお会いしたのがきっかけですね。

和田:それを機に「ROPPONGI EXPRESSさんでビオレーサーを着ていただけないですか?」とご提案させていただいたんです。

高岡:それまでは別のウエアメーカーを使ってたんですが、ちょうど変えたいと思っていたところだったので「こちらとしてもぜひ」と。

――ビオレーサーの第一印象は?

高岡:世界選でオランダとかベルギーのチームが使っていたので、「本場の本物のウエア」というイメージがありました。実際に着てみると、さすがの出来だなと。まぁ当時は不満点もあったんですが。

――そもそも、高岡さんがウエアに求めるものとは?

高岡:快適性と空力ですね。見た目も重要ですが、空力がいいと見た目もよくなります。ウエアは機能とルックスが完全にリンクしてるんです。

国内屈指のアマチュアレーシングチーム「Roppongi Express」。写真中央が高岡亮寛さん。

なぜベルギーまで行く必要があったのか

――では今回のベルギー訪問について。世界選に出ちゃうレベルとはいえ、アマチュアである高岡さんがなぜビオレーサーの本社に行ってフルカスタムのウエアを作ることになったんでしょう?

高岡:当初は満足していたのですが、長年着用していると色々と気になるところも出てきて、いつかは自分が100%納得のいくウエアをフルオーダーで作りたいと思ってたんです。そんなときにビオレーサーが非公式にロード用ウエアでフルカスタムやっていることを伺いました。それには本社に行ってプロのフィッターに実際に採寸してもらうのがベスト。でも、そのためだけにベルギーまで行くのもな……と迷ってたんですが、今年のグラベル世界選の開催地がベルギーに決まったので、ビオレーサーに行くついでにベルギーのグラベルを走っておけば世界選の予習ができる。さらに、お店(自身が経営するショップ「RX BIKE」)で取り扱っているSRMの本社も近いから訪問することにすれば、ベルギーまで行く価値はあると判断しました。メインの目的はあくまでビオレーサーでしたけど。

和田:コロナ直前の2020年にも高岡さんとビオレーサー本社に行き、風洞実験をして当時としては最高のウエアを作ったんです。そのときはフル採寸ではなく、当時プロチームも採用するレースシリーズというモデルを調整して作ったものでした。そのあとレースシリーズが廃版になり、エピックシリーズにモデルチェンジしたんですが、残念ながら高岡さんのお眼鏡にかなうフィッティングにはならなかった。高岡さんの要望を汲み取って本社の開発チームが既存のパターンをベースに作り直したりもしたんですが、なかなか満足のいくものにならなかったんです。

――自社メディアなのにそんなこと言って大丈夫なんですか。

和田:いやもうここではそういうことも言っていこうと(笑)。高岡さんに本当に満足してもらうためには、既存の製品を切った貼ったしただけではだめで、本国に行って本社のパターンナーに採寸してもらってゼロからウエア作りをする必要があると考えました。そこで、ぜひ一緒に行きましょう、と。

2020年にも高岡さんはベルギーを訪問、風洞実験を行った。

プロが着用するウエアとは

和田:ちょうどその頃、ビオレーサーがイネオスへのサポートを開始し、チームからの要望を汲み取った新型のロードレース用ウエアを開発したんです。それによってオリンピック選手やナショナルチームからのフィードバックだけではなく、新たなトッププロの様々な厳しい環境での要求がノウハウとして蓄積されたところでした。

高岡:他のメーカーもそうだと思いますが、プロが着ているウエアと市販のウエアは全然違うんです。既製品をベースにセミオーダーで「裾をプラス○cm」とかしても、同じものにはならない。

――イネオスって、個人個人で完全フルオーダーですか?

和田:そうです。ベルギーナショナルチームもそうですが、提供するウエアは一人ひとり違います。プロといっても体形は様々ですから、フル採寸でオリジナルを製作したほうがより選手のパフォーマンスが発揮できますし、そうしなければプロの世界のレベルでは闘えないとビオレーサーは考えています。

――ビオレーサーってプロ以外にフル採寸でのウエア製作はやってるんですか?

和田:もちろんやってないです。丈の長さを変更するなどの微調整はできるものの、今はイネオスとベルギーナショナルチームだけ。

――そこにいきなり高岡さん。すごい話だ。

和田:イネオスとベルギーナショナル以外では私が知っている限り初でしょう。

――よく本社が応えてくれましたね。

高岡:和田さんの力です。

和田:いやいや。今回高岡さんの訪問をアテンドしてくれた本社の品質管理のディックは高岡さんの活動や目標をよく知っていて、「タカオカの期待に応えたい」という想いがあったんですね。

――そこまでして達成したい目標とは?

高岡:世界選ですね。グランフォンドとグラベル。あとはツール・ド・おきなわ。

和田:そもそも高岡さんとお付き合いさせていただくことになったきっかけも、「世界選で優勝したい」という強い想いに心を動かされたからなんです。みなさん機材に目が行きがちなのですが、私個人としても、ビオレーサーとしても、勝つためにはウエアの貢献度は非常に高いと考えています。ウエアメーカーとしてそれに貢献したい、と。

高岡:今でもその想いは変わりません。いつかはやりますよ。世界選優勝。

既存モデルの不満点

――ビオレーサー本社の印象はどうでしたか。

高岡:面白いメーカーですよ。ガラス張りの明るいオフィススペースには仕切りがなくて、CEOもみんなと同じスペースで働いてる。ベンチャーっぽいオープンな雰囲気があって、風通しがいいんだろうなと。本社の敷地にオフィスと開発棟に加えて工場と倉庫もあって、開発だけではなく試作からロジスティクスまで全部自前でやってることにも驚きました。工場といっても本社にあるのは試作やプロ用のカスタムメイドを行うセクションですが、裁断・プリント・縫製まで全部できるんです。

和田:ちなみに製品の生産工場は欧州に複数あります。全て自社工場でシステム連携されています。日本向けの商品は複数工場の中でも熟練工がいて最も品質の高い工場で対応してもらっています。

高岡:ビオレーサーの一番の特徴は自前の工場を持っていて、製造まで自社でやっているところですね。そこが他社とは決定的に違います。

――なるほど。話は変わりますが、今まで着ていた既存モデルには不満があったんですか?なかったらフル採寸しようと思わないと思いますが。

高岡:サイズ感と細部のフィットですね。前傾姿勢をとったときに首周りにしわができるとか、肩周りにたるみができるとか。ポケットの位置も微妙に使いづらかった。

――それをフルカスタムで煮詰めるためにベルギーまで。まさにマージナルゲインですね。

<vol.2へ続く>

IMG_7545-810x1080
写真 2024-01-24 9 13 06
写真 2024-01-24 9 12 36
写真 2024-01-24 9 12 18
previous arrow
next arrow

RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
PAGE TOP