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富士ヒルのメインスポンサーとして

富士ヒルのメインスポンサーとして

2021年にMt.富士ヒルクライムのメインスポンサーになったビオレーサー。当時はビオレーサーの知名度が今ほど高くなかったため、「日本最大級の自転車イベントである富士ヒルを、ビオレーサーが!?」と、業界的には結構なサプライズだった。記念すべき20回大会の開催に先駆けて、ビオレーサーがメインスポンサーとなった経緯と理由と課題を掘り下げる。

変な使命感

Mt.富士ヒルクライム。サイクリストたちの間では“富士ヒル”という通称が定着し、「ヒルクライムイベントといえば」という問いの筆頭に挙がるほどの一大イベントである。2017年には参加者が1万人を突破、現在は上限を8000人としているが、一瞬で埋まるほどの人気を誇る。

そんな富士ヒルには、もちろん大会スポンサーの存在が不可欠だ。開催に必要な費用の一部を金銭的に支援し、その見返りとしてメーカーロゴの露出やイベントの販促使用、物品販売などを行う。当然、富士ヒルほどの規模になると、スポンサー費用もかなりの金額になる。

今年の富士ヒルのオフィシャルサイトに行き、ページを最下部までスクロールすると、スポンサー一覧がある。その一番上に掲載されているのは、メインスポンサーとなっているビオレーサーだ。

※第20回Mt.富士ヒルクライム公式サイトより

ビオレーサーが日本最大級の自転車イベントである富士ヒルのメインスポンサーになったのは2021年のこと。しかも、イベントのスポンサーを務めるのはこの富士ヒルが初だという。なぜいきなりこのような大きな大会のメインスポンサーになったのか。その意図は。ビオレーサーの国内代理店であるクランノート代表の和田智裕に話を聞いた。

「それまでメインスポンサーだったあるメーカーが急遽スポンサーを降りることになり、富士ヒル側から『ビオレーサーさん、いかがでしょうか?』とお話をいただいたんです。そこで変な使命感に駆られたんですね。2021年の初頭、ちょうど緊急事態宣言が発令された頃のことで、世の中が自粛モードになりかけ、イベント中止含め世の中が見えなくなってきたときでした。『このままだと自転車業界に明るい未来はない。いまこそ未来に向けて我々企業がイベントを盛り上げないといけないときだ』って。ビオレーサーとしても、『勝つための決戦用ウエア』という認知でレーサーの間には広まっていましたが、一般サイクリストの知名度は高くありませんでした。ウエアメーカーとしてもう一段階上のフェーズにいくべきときでもあったんです。これもなにかの縁だし、いっちょやりますか!と決めました。金額が大きかったので、かなり迷いましたけどね」

異なるスタンス

大会のスポンサーになると、開催費用を一部負担する代わりに、会場の各所にメーカーロゴのバナーを掲げ、商品を大々的に宣伝してもらう、というのが通例だ。しかし、ビオレーサーは公式ジャージを作ったり、ドリームチームプロジェクトによって大会を盛り上げたりと、単なるスポンサーとは違う動きをしているように思える。

「他のスポンサーさんと違うところがあるとすれば、スタンスですね。『スポンサーになってあげたんだから、我々のことを大いに宣伝して知名度を上げてください』ではなく、私たちは『スポンサーをさせていただいている』という意識なんです。主催者の上に立つのではなく、あくまで対等でいたいと思っています。ま、一年目はこんな偉そうなことは言えなくて、ビオレーサーのことを知ってもらうだけで必死でしたけど(笑)」

「富士ヒルって、自転車歴や脚力に関係なく、目標タイムに向かって自分との闘いをする場です。ロードレースとは違ってみんなが主人公なんです。どうしても目立つのは上位入賞者ですが、『富士ヒルでは参加者みんなが主人公なんだ』という想いでドリームチームも発足させました。翌2022年からはドリームチームのメンバーをもっと多様にして、活動を活発にしていきました。普通、自転車イベントって前日~当日だけが局部的に盛り上がるものです。でも富士ヒルは、1月あたりからMt.富士ヒルクライム道場などのオンラインイベントがあり、ズイフトで参加者が一緒にトレーニングをし、前月には試走会があり……と、様々な付帯イベントがあります。2023年はそこにドリームチームを絡められたのがよかったですね」

アジアに目を向けて

和田は富士ヒルというイベントに観光資源としてのポテンシャルも見出している。

「富士ヒルって初心者からベテランまで夢中になれるため、数日で申し込みが埋まるほどの人気イベントです。しかも富士山という素晴らしいコンテンツがある。自転車業界としてはこれを成長させないと意味がない。今後、日本が今以上の観光立国になっていくことを考えると、海外からの観光客も呼べるイベントになる可能性もあると思うんです」

「スポンサーとして、次のフェーズは『アジア』ではないかと考えています。政府は観光立国推進基本計画を掲げて、2030年には外国人旅行者数をコロナ前の2倍にするという目標を設定しています。当然オーバーツーリズムが問題になり、大阪、京都、東京だけでは観光地が足りなくなって、富士山にさらに注目が集まるはず。そこで、イベントの2日間だけではなく年間を通してアジアに富士ヒルの情報を発信して、『富士ヒルってこんなにすごいイベントなんだ』とアピールする。アジアから来る観光客には、土曜日は富士山周辺を観光してもらい、日曜は富士ヒルに参加してもらう。そうして、アジアのサイクリストに『日本の富士ヒルに出るのが憧れなんだ』と言わせるイベントにまで成長させられればいいなと。もちろん、富士山周辺の交通規制、交通網、宿のキャパなどの問題はありますが、そういう理想を掲げて主催者と足並みを揃えて進んでいくのがスポンサーとしての使命だと思っています」

「一方で、アジアのクライマーのトップを決める大会としての価値付けもできるでしょう。今は日本人クライマーのトップを決める大会ですが、『アジアでトップになるには富士ヒルで勝つしかない』と、アジア人の頂点を決める大会としても認知させられると、日本のみならずアジア圏において、レベルに関係なく誰からも愛されるイベントになる。スポンサーとしてそれに貢献したいというのが私の想いです」

綺麗事かもしれないけれど

ビオレーサーのスタッフとして富士ヒルでのサポートを行っている尾崎康太郎にも話を振ってみる。

「僕がビオレーサーとして富士ヒルにしっかりと携わったのは去年からですが、改めて参加者の方々の熱の高さを実感しました。ビオレーサーのブースで直接会話を交わした参加者の方が、頑張って結果を出されてゴール後に泣いている姿を見て、僕も感極まってしまいました。綺麗事に聞こえてしまうかもしれませんが、スポンサーとしてこのように情熱をもってチャレンジしている人たちを支援できているのは、大きな意義があると感じます」

「こういう綺麗事をビジネスに乗せるのって難しいんですよ。でも富士ヒルではそれができるんです。僕らにいろんな権限を与えてくれている主催者・ファンライドさんの懐の深さも大きいですね。それによって、ドリームチームの活動や公式グッズなど、ビオレーサー主導で動けていることも多いですから。僕らはスポンサー以上のことをやりたいと思っています。ビオレーサーとして、どういうお手伝いをすれば富士ヒルの価値が高まるのかを考えてます。『お金を出しているんだぞ』ではなく、他のスポンサーさんも巻き込んで、一緒になって富士ヒルを盛り上げて、いい大会にしていきたいですね」

尾崎が言うように、ともすればこういう内容は上辺だけの綺麗事に聞こえてしまうものだが、今後の富士ヒルにおけるビオレーサーの動き方に注目してもらえれば、これが綺麗事か否かが分かるはずだ。

インタビューを終えようとしたとき、「あ、最後にもう一つだけ」と和田が口を開いた。

「みなさん”#頂上で会いましょう。”を合言葉に頑張ってください。また、私たちはビオレーサーを使って下さっているお客さんと実際にお会いする機会がなかなかないんです。ビオレーサーファミリーの方々とお話をしたいと常々思っているので、当日はぜひビオレーサーブースにいらしてください。お待ちしています!」

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