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【レポート 白戸太朗】IRONMAN World Championship Nice, France

初めてアメリカ以外で開催されるフランス・ニーチェ アイアンマン世界選手権大会。
そして今年は男子だけの開催という事で、どんな大会になるのか注目されていた。結果として、NICEの街としてのポテンシャル、ロケーションが大会を大いに盛り上げ、過去になかったような魅力を放った大会となった。

もちろんコースもタフで、競技時間も長いので書きたいことも沢山あるが、例年とは異なる雰囲気と言えど、やはりハイレベルなレースであったことは言うまでもない。

恐ろしく青くて綺麗な海。地中海ブルー(エジプシアンブルーとも呼ぶ)ってこういうのを言うのだろう。ただし水温が微妙で、ウエットスーツ着用可の24.5℃前後。2日前は24℃というから、当日にならないと分からない。まあ個人的にはどちらになっても困らないけど、ウエット派の方はハラハラしていただろう。もちろん当日の朝の決定まで両方対応できる準備をする。当日、朝の水温は24.7℃。ウエットスーツ着用不可。まあ、こんな海で泳げるのだから幸せだ。

エイジグループごとのウェーブスタートなので200~250人程度がフローティングで一斉に泳ぎだす。最近はローリング方式(10名程度の少人数グループをこまめに出していく方式)が多く、ちょっとしたバトルは久しぶり。昔の記憶が蘇り、ついついガンガン行きたくなる気持ちを押さえてのんびりと。そう、アイアンマンの中ではスイムはウォームアップと僕の中ではとらえている。
「速く」よりも「スムーズ」を心掛けて泳ぐのだ。
早々に小さなグループを形成し、お互い干渉し過ぎないように利用しあって進んでいく。後半少し波が出始めたが、地中海をじっくりと味わうことが出来た。
また今回は朝、明るくなってくるタイミングなので、時間帯によって明るさが大きく異なる。こういう状況ではSWANSの調光レンズゴーグルが重宝。このおかげで安定して視界を確保できました。

落ち着いてトランジッションし、いよいよメインディッシュであるバイクスタート。
10㎞手前から上りはじめ、標高1200mくらいまで上り、そこから一旦下って、また上り返すというアイアンマンでは屈指の山岳コース。まあ無理しても走れるようなコースでもなく、じっくりと落ち着いて登り始める。

心配は、現地到着後から続く腰痛。
もう40年間付き合っている腰の変形は、いまだに僕を時折悩ませる。
それでもいろいろやって、ようやくレースにスタートできるレベルになったけど、スイム終了時もすでに嫌な兆候あり。上り始めて30分で腰がつらくなり始め、これから先が思いやられる…。ともあれ上手に付き合っていくしかない。

ここのバイクコースは前半70㎞地点まで上りまくる。
今回、このコースに対応すべく、今回はバイクをTTではなく、同じくVentumのロードレーサーをチョイス。おかげで登りはもちろん、下りで大いに助かった。
登りでは腰への負担を軽減するため、ロードレーサーだから出来る上半身を起こしたスタイルで。他選手を気にせずマイペースで進む。その横をTTポジションでガリガリ上っていく選手もいて、「同じレースをしているのか?」というような心境で感心しながら見ていた。
そして上りながら、山の上の方をみると黒い点々が。よく見ると自転車らしい。あぁあそこまで登るんだな~と思い続けようやく最初のピークにたどり着いた。

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その後、細かく上ったり下ったり。前半から無理をしていないつもりだけど、まだ100㎞も来てないのに、すでに疲労感!? 先が思いやられる…
でも、補給の成果か、ペース配分のお陰か、120㎞付近からの上りにかかった辺りから意外にカラダが動くようになってきた。今回はジェル系をほぼ止めて、甘酒とようかんに切り替えたのだが、それも功を奏しているようだ。
抜かれっぱなしの状況から、今度はちょいちょい抜いていく事も。長時間スポーツは、苦しい時間帯を乗り越えるとこんなことが珍しくない。

後半の下りは壮大なロケーションで気持ち良く!?
アメリカのコースのような単純な下りではなく、コーナーが続き、路面もどんどん変わる。緊張感がなくなると危ないので、気合が入る。それにしても、皆のスピードは半端ない。僕自身、日本のトライアスリートの中では下れる方だとは思っていたが、こちらではそれでも横からガンガン踏んで抜いてくる。また、コーナースピードが速く、ホイールとタイヤの選択が重要で、今回、MavicのCOSMIC SLRに 28インチのタイヤにしていて本当に良かった。足回りに安心感があると、不安なく下れる。そしてこんなコースをきちんと走り切るためには、普段から山のコースをしっかり走っておく必要がある、上りはもちろん下りも大切。自転車の総合力を試される。やはりツールでも使われるようなコースだけに、自転車の面白さを堪能できるコースだった。
ということで、すでにメンタル的にも、脚もいっぱい、いっぱいの状況でようやくNiceの街に戻ってきた。
あとは走るだけ!?

ランは海岸線を4往復。
フラットで、応援も多く、距離を把握しやすいが、単調になりやすいので集中力を切らさないように走る。とはいえ42㎞なので、頑張りすぎて潰れると後が長い!?とにかく心に余裕を持って走り出す。湿度こそ低いが、地中海の太陽の日差しは強く、エイドでで氷をもらいながら進んでいく。なるべく、力を使わないように、動きが崩れないようにだけ注意を払う。

この辺りまでくると、選手の状態に差があり、走れなくなるような選手もいれば、快走で抜き去っていく選手もいる。僕はとにかく「安定」を心がけて走っているつもりだが、抜かれるのはやはり悔しい…。「他の選手と戦っているのではなく、自身と戦っているんだ」と自分の激を飛ばし、なんとかフィニッシュを迎えることが出来た。

決して速いと言えるタイムではないかもしれないが、現状の中で後悔はない。
現状できることをやったつもりだし、それをそつなく発揮する事は出来たのではないか。

こうして、自身の23回目のIRONMAN World Championshipは終わった。

世界のレベルは、50歳を超えても年々上がっている。そしてヨーロッパでのハイレベルなバイクパート。まだまだ見えない頂点は、挑戦するには十分過ぎる高みだ。
これからも体と上手く付き合いながら、頂点を目指していきたい。

あちこちガタが出ている体で、こんな挑戦が出来るのは幸せなこと。
これもその挑戦を応援し、支えて頂いている皆様のお陰です。
その支えがなければ、ここまで走れることはありません。
本当にありがとうございました!

白戸太朗

 

着用モデル【トライウェア エアロレーサー KIT】

・エアロダイナミックな形状でアスリートを最適にサポートするトライスーツ
・トップ選手から高評価のスピードマスタースピードスーツの技術を応用して開発
・水中での抵抗を軽減と速乾効果でスイム後のパフォーマンス低下を防止する撥水機能
・着脱が楽なフルオープンフロントジッパー
・両袖にクーリング効果とエアロ効果を両立するAIRMESHを採用
・パワージェルなどの補給食を入れられるバックポケット
・幅広で伸縮性が高く、肌への刺激が少ないレッググリッパー採用
・身体の動きを妨げず必要最低限の衝撃吸収性を発揮するトライアスロンパッド

仕 様:エアロフィット、UVカット、撥水、セットインスリーブ、カラーレス(パイピング)、袖口グリッパー、フルオープンフロントジッパー、2分割バックポケット、ジッパーカバー、パワーバンドレッググリッパー、トライアスロンパッド

型 番:53810・TRI AERORACER KIT
価 格:41,000円(本体37,273/税3,727)
サイズ:XXS/XS/S/M/L/XL/XXL
最低発注数 初回/追加:5着
納 期:ご入金確認後約5〜8週間
※工場の稼働状況や製作時期により異なります。

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