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ドリームチーム2024メンバーコメント 夢の行方(後編)

ドリームチーム2024メンバーコメント 夢の行方(後編)

先日公開したMt.富士ヒルクライム2024レポート「ドリームチームの意味と価値」に続き、今回はドリームチームのメンバー全員のレポートをお届けする。目標を達成し感涙にむせぶ人。夢破れ落胆の涙を流した人。結果はそれぞれだが、チームとして参加したことで、各メンバーの中には何かが残ったよう。その”何か”を文字にしてもらった。

※前編はこちら

「チームのOBが導いてくれた」(なすぴーさん)

「目標を72分(ベスト1.5分更新)としていたところ、結果は70分(ベスト3.5分更新)。目標以上の結果を出すことができました。トレーニングが上手くいったことに加え、ドリームチームで目標を宣言し共有したことで、モチベーションを維持したまま臨めたことが理由だと思います。

当日は第3スタート・第7ウェーブの先頭に並んでスタート。72分ペースで走る人を募って3名でスタートするものの、すぐ単独走に。パワーメーターの数値がおかしいことに気づき、心拍計とペース表を頼りに進みました。本番では走力が近そうな人にとにかく声をかけ、トレインを形成して空気抵抗を抑えながら走り、前半はタイムより2分ほど速いペースで走ることができました。

後半になり、少し速い集団に追いつくためにペースを上げたら、自分で集めたトレインをちぎってしまい、少し後悔。その集団になんとか追いつき、ツキ位置させてもらいましたが、数分でツキきれずまた単独走に。

その後ペースが落ち、貯金が1分15秒まで減ってしまいましが、四合目付近でドリームチームOBのとっしーさんと合流。彼は絶不調とのことでしたが、自分の成績を捨てて終盤の平坦区間を引いてくれたので、貯金が2分に回復。そのままトレインの先頭を引き継ぎゴール。目標を2分も上回るタイムを出すことができました。

自分は毎年Youtubeで目標を宣言し、富士ヒルを一番の目標にして練習してきましたが、同じ本気度で富士ヒルに向き合う人が周りにいませんでした。ドリームチームは全員が本気で富士ヒルに向き合っていて、悩みなどを共有しながら一緒に歩むことができました。それが何よりの収穫です」

 

「チームの活動があったからこそ」(にんにんさん)

「本番に向けてトレーニングの計画を立て、20分5.6Wkg、1時間5.3Wkgのプラチナ最低ラインと思われるパワーを出せるところまで持ってくることができました。

ただ、本番一週間前の試走会では調子が上がらず、選抜出場経験がある友人から最初の10分で遅れるという苦い経験をしました。自分のパワーからすると明らかに調子が悪く、原因を探したところ、アップ不足という答えに行き着きました。そのため、本番当日はホテルでローラーを45分、会場に向かう道すがら高強度インターバルのアップをし、選抜の強度に耐えられる状態でスタートに並びます。

その甲斐あってか、スタート後はさほど無理をせずに選抜集団と走ることができました。作戦は『三合目を過ぎるまでは先頭集団に残り、遅れた後もペースを落とさない』でしたが、集団からちぎれた後もプラチナを目指すメンバーが集結し、10人弱のプラチナトレインでゴールを目指し、プラチナ獲得を達成できました。

今年はOP(オフィシャルパートナー)としての参加になりましたが、昨年まで以上にメンバーとの交流をはかり繋がりを深めると同時に、その様子を自分のyoutubeチャンネルでも発信することで『ドリームチームってなんか面白そうだな』『楽しそうなことやってるな』とチーム内からも外からも思ってもらえるような動きができたと思います。

その活動を通じて自分自身のモチベーションも上がり、練習を楽しくこなせたことで、今回の良い結果につながったのだと感じています」

 

「夢のような半年間」(ひっしーさん)

「目標はシルバーリング獲得でしたが、79分03秒で目標達成ならず。2月にコロナに感染した以外は計画通りに練習できたと思いますし、後述するように仲間に恵まれ楽しく練習できていました。レース当日はシルバー獲得目安の脚力には少し足りませんでしたが、頑張って74分ペースで走ろうと考えていました。スタート前やパレード区間で、周りのシルバー狙いの方に声をかけ、仲間を集めてスタートしました。

料金所をすぎたあたりで大きなトレインがやってきたので、『乗るしかない、このビッグウェーブに』と思ってついていき、理想的なペースで進行していきました。しかし二合目以降、斜度が少し緩んでスピードが上がっていくなか、前走者と差が開き始め、差を埋めようと加速、追いついた後にまた集団がスピードアップして差が開く……を繰り返し、やがて決定的な差がついてしまいました。そこで初めてサイコンを見てしまいました。

これが一番の反省点。見るべきではなかったと思います。残りのレースをどのくらいのペースなら走り切れるかを考えてしまい、スピードアップすることができなくなりました。後はほとんど1人で淡々と走り、途中でシルバーが不可能なことを確信しました。しかし同時に自己ベスト更新も確信しましたし、80分も切りたいとも思いました。それにこのウェアを着ていながら諦めることは許されないと思い、気合を入れ直して最後まで走り、結果は前述の通り。

ドリームチームに加入して一番の変化は、仲間が増えたこと。仲間のおかげで、1人ではできなかった練習ができ、知識・経験が得られて、大きな財産になりました。絶対にシルバーを取る!と宣言したことで個人練習にも気合が入りましたし、走り方や練習についてもアドバイスをくれたり、練習に付き合ってくれたり。仲間の繋がりが感じられてとてもありがたく楽しい時間でした。

夢の一つは達成できませんでしたが、まさに夢のような半年間でした」

 

「人として成長できた活動でした」(ぱおみさん)

Photo Kenta ONOGUCHI

「仲間とブロンズトレインを組んで臨んだ富士ヒル。前半でタイム負債を作らないように上り、後半に余裕を持たせる予定でした。

試走は何度もしていたのですが、胎内交差点を曲がってペースが上がったときの『試走の時とは違う感覚』にドキドキ……。序盤を落ち着いて踏むことができず、二合目手前でトレインからちぎれてしまいました。ちぎれると急速に戦意喪失しがちなのですが(みんなそうだと思いたいです)、ちぎれる際にトレインのメンバーが一緒に下がってくれて『最後までは引けないけど、行けるところまで引くからついてきて!』と、しばらくの間、励ましながら引いてくれ……いろんな感情に襲われて、ほぼ泣いていました(笑)。

その後、1人になってからはライン取りや他の選手との協調など、レースでの走り方の技術不足を感じました。最後まで走り切れたものの、目標としていたブロンズリングは獲得ならず。課題しかないなぁと実感するレースでした。

ドリームチームに選出されなくても富士ヒルにはエントリーしていたと思いますが、『できるだけ頑張りま~す』なんて言いながら目標も立てず、そこそこの練習をして本番を迎えていたと思います。有言実行できなかったらそれが一番カッコ悪くて恥ずかしいと思い込んでいたからです。

ドリームチームのメンバーになれたから、保身に走っている方がカッコ悪いと気付くことができました。人として成長できた活動でした」

 

「最高のゴールドトレイン」(星狐さん)

「宣言した通り、69分35秒でフィニッシュ。70分切りという目標は達成できました。あわよくばゴールドをかっさらおうと思っていましたが、そんなに現実は甘くありませんでした。

本番当日、5時半ドリームチームのゴールド組がスタートラインに集合。今回はローテには加わらず、後ろにつかせてもらうことに。たっくみん、まさトゥーさんを含む8人のトレインにえーぞうさん、リョウさん、私含む10人くらいのツキイチ組という集団。実力的に最後までついていくことはかなり難しいですが、行けるところまで行ってみるという作戦です。

20分頃、ゴールドトレインから徐々にちぎれはじめます。急斜面でジワジワ離され、緩斜面で追いつく、を繰り返しますが、これ以上はレッドゾーン!と戦略的撤退。仲間内で固めた最高のゴールドトレイン、本当にありがとうございました!

ここからは目標通り70分切りを目指すことに。いい判断だったと思いますが、爆死上等だったらどこまで行けてたのか気になるところ。

その後はえーぞうさんを含む4人ほどで集団を作り、70分切りのペースでラストまでパックで行くことに。垂れた時点で全てが終わるし、単独になってもやばいので、できるだけペースを保ち、キツそうな人を積極的に引いて集団形成に全力をかけました。

最後は叫びながらゴール。協調してくれた皆さん、本当にありがとうございました。

ドリームチームに加入したことで、モチベーションはかなり上がりました。目標を公言すること、そして共に夢を追う仲間がいることは、こんなにも力になるんだと思いました。今までなんとなく富士ヒルに出ていましたが、それがいかにもったいないことだったかを痛感しました」

 

「目標には届かず。でも自己ベストは更新」(松田広無さん)

「調子は悪くありませんでしたが、集団のペースがかなり速く、二合目を越えたところで付いていけなくなり、『あと半分もあるのに、こんなに早く落ちるのか?』……と。このときは精神的に辛かったですね。

大沢駐車場の手前でメンバーの大賀さんが集団で上がってきて、そこに混ざらせてもらい、メンバーと声を掛け合いながら頂上へ。最後は奥庭で脚が攣りかけましたが、誤魔化しながらゴール。

自転車を始めて3年目、富士ヒルも3回目。プラチナ達成を目標としていましたが、結果は1時間01分35秒。目標には届きませんでしたが、昨年よりも3分25秒縮める事ができたので、よしとしよう、と思えました。

一般参加していたときは、チームにも入っていなかったので、1人で黙々と取り組み、レースも単騎でTTのような走りをし、あまり楽しいとは感じませんでした。今回はドリームチームのメンバーとして走らせて頂き、『皆んなでやるんだ!』と声を掛けあって走ることができました。目標達成とはいきませんでしたが、次に繋がる経験になったと思います」

 

「取らせてもらったプラチナリング」(コンドルさん)

「私自身は1時間を切れるような走力がないので、プラチナペースのトップ集団にどれだけ付いていくかを考えながら走りました。ペースアップする場面では若干ポジションを下げてでも負担がマイルドになるように対応し、逆に緩むところではポジションを上げていき、脚を消耗しないようにペースを平均化しつつ集団内で一定の位置を確保することに努めながら走りました。

それでも有力選手のペースアップに耐えられず、三合目を過ぎた所で集団から脱落してしまったのですが、チームメイトのにんにんさん他、走力の合う数名とパックを作ることができ、前向きにゴールを目指しました。結果、主催者選抜23位、58分59秒。プラチナリング獲得で目標を達成できました。

リングを取れたことは嬉しいですが、苦しい状況の中で仲間と力を合わせて目標を達成できたことが財産になりました。『1人でプラチナを取った!』というよりも、『みんなで取った』『取らせてもらった』といってもいいくらいです。

ドリームチームで走らせてもらうにあたって目標を公言したことで、プレッシャーにもなりましたが、モチベーションにもなりました。チームのメンバーが日々上げていた練習ログにも励まされ、気分が乗らない日でも自分も少しでも頑張ろうと思えました。

何より、メンバーの皆んなが自転車で走ることが大好きだということが伝わってきたのが嬉しかった。そこがドリームチームの活動の原動力になっていたと思いますし、注目して頂いた方へも伝わったのではないかと思います」

 

「近くて遠いゴールド」(たっくみんさん)

Photo Kenta ONOGUCHI

「FTPは276W、体重は本番当日朝の時点で55kgで、PWRは5W/kg。過去最高のポテンシャルでスタートできると思っていまいた。しかし、スタートしてからサイコンを確認すると、出ていると思っていたパワーが出ていない。パワーメーターの不調かと思いましたが、疲労が抜けきっておらず、普段ならなんてことないパワーでもキツく、維持が難しい。なんとか気合いで走るもゴール手前のトンネルで失速し、8秒を埋められず。目標だったゴールドを逃すこととなりました。

目標には届きませんでしたが、ドリームチームの活動を通して、恥ずかしくない行動や走り方ができたと思います。ライド中の声かけやマナーはいつも以上に意識をしました。

自転車競技は紳士なスポーツです。皆さんに楽しく記憶に残るような行いを広めていけたと思っていますし、これからも行っていきたいと感じています」

 

「障害を乗り越えて」(はるかさん)

「ドリームチームに応募した時は、再び速さを求めて走れるようになるか、どのくらい脚力を戻せるか、が全く不透明な状態でした。こんな状態でも、ドリームチームに応募したからには中途半端なリハビリはしたくないと思う気持ちが強くなりましたし、それぞれ目標に向かってひたむきに努力をする人達に囲まれたことで、多くの刺激をもらいました。

SNSなどでドリームチームの仲間が練習している投稿が目に入ると、眠くて辛い朝練やなんとなくダルくて走りたくない日でも、彼ら彼女らがやっているなら負けられない……と気持ちの立て直しが図れたことが何度もあります。

第1の目標である『過去の自分の記録を超えて自己ベストを更新する』は達成できました。あわよくば、と思って立てた第2の目標(80分切り)には残念ながら届きませんでしたが、一番速かった頃の自分の記録を1分近く更新することができました。

幸運にも、本番直前に80分切りを目指す参加者のグループに声をかけていただき、本番は一緒にトレインを組んで走ることができました。残念ながら四合目でトレインはバラバラになりましたが、仲間たちの熱い走りに勇気をもらい、単独になった後も集中して走ることができました。仲間たちとローテーションを組みながら一つの目標に向かって走ったことは、忘れられない思い出です。

ゴール直前、80分切りができないことはもう分かっていましたが、今まで障害で苦しんだ思い出、走れるようになった思い出が一気に脳裏に過ぎり、今できる限りの力をペダルに思いっきり乗せることができました。

1年前はもう二度と自転車で自由に走ることができなくなるとまで思っていましたが、再びゴールラインを超えられたことが嬉しくて、涙が止まりませんでした」

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