エアロスーツとは、ジャージとビブショーツを一体化したロードレース用のワンピースウェアです。上下のつなぎ目をなくして空気抵抗を抑えつつ、バックポケットと前ファスナーを備え、ロードレースやヒルクライムで着用します。この記事では、スキンスーツやジャージとの違い、通気性と空力で選ぶ基準、サイズの決め方、チームでカスタムオーダーする場合の条件を、BIORACERのEPICシリーズを例にまとめます。

エアロスーツとは何か
エアロスーツは、ジャージとビブショーツを縫い合わせて一枚にしたロードレース用ウェアです。ジャージの裾とビブの腰まわりに生まれる段差や生地のたるみをなくし、走行中に受ける空気の流れを整えます。名称は「ロードレーススーツ」「スピードスーツ」「ロードスーツ」とも呼ばれ、BIORACERでは「ロードレース エアロスーツ」の名称で展開しています。
一体型である点はタイムトライアル用のスキンスーツと同じですが、エアロスーツは長時間のロードレースを前提に作られています。背中に補給食を入れるポケットがあり、前ファスナーで開閉でき、袖は半袖が基本です。BIORACERのEPICラインでは、袖に凸型ストライプ構造の「AIRSTRIPE」生地を使い、腕まわりの空気の流れを整えています。
エアロスーツとジャージ+ビブショーツは何が違うのか
違いは3点です。空気抵抗、着心地、そして運用のしやすさです。
空気抵抗では、エアロスーツが有利です。ジャージとビブショーツの組み合わせでは、ジャージの裾が風でばたつき、腰まわりに生地の重なりができます。エアロスーツはこの段差がなく、ウエストのパワーバンドでズレも抑えられるため、エアロポジションを保ちやすくなります。
着心地は、一体型ならではの締まりのある感覚です。ビブの肩ひもが背中を引く感覚がなく、腹部の生地が重ならないため、前傾姿勢で胃まわりが圧迫されにくい点が特徴です。一方で、ジャージとビブショーツのように上下を別々に選ぶ自由度はありません。
運用面では、ジャージ+ビブショーツの方が扱いやすい場面があります。トイレの際は全身を脱ぐ必要があり、落車で破損した場合は一着まるごと買い替えになります。レース当日と高強度の練習に絞って使い、普段の練習はジャージ+ビブショーツにする使い分けが一般的です。
エアロスーツとスキンスーツの違いは何か
スキンスーツはタイムトライアルやトラック競技用の一体型ウェアで、ポケットがなく、背中ファスナーや長袖の仕様が多く、生地の圧着も強めです。数十分の全力走行を前提に、収納性より空力を優先しています。
エアロスーツはロードレース用で、バックポケットと前ファスナーを備え、数時間のレースに耐える通気性と着心地を持たせています。BIORACERのEPIC PARIS GEN2では、首元にTT仕様のパイピングカット襟を採用し、長時間でも首まわりの当たりを抑えています。つまり、スキンスーツの空力設計をロードレース向けに実用化したものがエアロスーツです。
エアロスーツはどんな場面で有利なのか
有利になるのは、速度が高く空気抵抗の割合が大きくなる場面です。平坦のロードレース、クリテリウム、集団走行の多いレースでは、空力の差が終盤の余力に表れます。
ヒルクライムは判断が分かれます。速度が低い登りでは空気抵抗より放熱が重要で、通気性の高いモデルが向きます。ただし富士ヒルクライムのように高速区間を含むコースでは、脚力のあるライダーほど空力の差が順位に表れます。BIORACERでは、空力を優先したEPIC PARIS GEN2と、通気性を優先したEPIC FULL BREEZEを使い分ける考え方を「フルブリーズvsパリ、僕らはどちらで戦うべきか」で解説しています。
エアロスーツを選ぶ基準は何か
選ぶ基準は4つです。出場するレースの速度域、気温、フィット、そして予算です。
速度域と気温は、ボディ生地で決まります。高速のレースなら空力重視のエアロ系生地、真夏の登りならメッシュや薄手の高通気素材を選びます。BIORACERのEPIC PARIS GEN2とSTRATOS BREEZEは、襟・袖・パッド・フィッティングが共通で、違いはボディ生地だけです。STRATOS BREEZEは前後身頃に「Preycool」という薄手の高通気素材を使い、メッシュと同程度の涼しさを狙っています。
フィットは、サイズ選びと同じくらい重要です。エアロスーツはレース用の細身の作りで、BIORACERはヨーロッパ基準のサイズのため、日本サイズより大きめに感じます。パッドはVAPOR PAD 2.0 SPSが標準で、ウェアサイズに応じて3サイズのパッドが自動で割り当てられます。
BIORACER EPICシリーズのエアロスーツ比較
BIORACERのロードレース エアロスーツは、EPICラインの3モデルが中心です。襟・袖・パッドの共通仕様と、ボディ生地の違いを表にまとめました。
| 項目 | EPIC PARIS GEN2 | EPIC STRATOS BREEZE | EPIC FULL BREEZE |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | 空力の基準モデル | 空力と涼しさの両立 | 酷暑のヒルクライム向け |
| ボディ生地 | EPIC PARISの素材配分を継承 | Preycool(前後身頃) | ブリーズ・メッシュ主体 |
| 袖 | 第三世代AIRSTRIPE | AIRSTRIPE | |
| 襟 | TT仕様のパイピングカット襟 | 標準襟 | |
| パッド | VAPOR PAD 2.0 SPS(日本限定の自動割り当て) | ||
| 通気性(5段階) | 3 | 5 | 5 |
| 使用目安温度 | 15〜30℃ | 高温時向け | |
| フィット・サイズ | RACE FIT / XXS〜XXL | ||
| 品番 | 56498 | 56493 | 56494 |
| カスタムオーダー価格(税込) | 55,000円 | 90,000円 | 46,800円 |
| 最低発注数 | 初回3着 / 追加1着 | ||
※ スマホでは表を横にスクロールできます。
※ 価格は2026年10月時点のカスタムオーダー カタログ価格です。価格・仕様は変更になる場合があります。FULL BREEZEは日本市場向けのオリジナルモデルで、コレクションモデルはCaLORSで1着から購入できます。
EPIC PARIS GEN2は、2024年にパリで開催されたロードレースでベルギーナショナルチームが着用したEPIC PARISの空力設計を受け継ぎ、襟を新しくしたモデルです。EPIC PARISの詳細はEPIC PARIS レビュー、FULL BREEZEの走行感はフルブリーズ インプレッションで確認できます。ICONラインのエアロスーツはアイコンエリート エアロスーツ インプレッションをご覧ください。
エアロスーツのサイズはどう決めるのか
サイズは、普段のジャージより「ややきつい」と感じる方を基準に選びます。エアロスーツは生地が体に密着して初めて空力の効果が出るため、たるみが残るサイズでは本来の性能になりません。ただし、前傾姿勢で肩や股のつっぱりが出るほどきついサイズは避けます。
BIORACERのEPICシリーズはXXS〜XXLの7サイズで、PARIS GEN2とSTRATOS BREEZEはフィッティングが共通です。サイズチャートは各商品ページに掲載しています。身長・体重から目安を出すサイズ診断と、試着サンプルの貸出も用意しています。カスタムオーダーは製作開始後のサイズ変更ができないため、注文前に確認することをおすすめします。

エアロスーツはチームでカスタムオーダーできるのか
できます。BIORACERのカスタムオーダーでは、EPIC PARIS GEN2・STRATOS BREEZE・FULL BREEZEの3モデルをチームのオリジナルデザインで製作できます。最低発注数は初回3着・追加1着で、枚数に関係なく単価は同じです。納期はご入金確認後、約5〜8週間が目安です。
流れは、会員登録、デザイン相談、デザイン確定後の注文の3段階です。手描きのラフや参考画像からデザインを起こすこともできます。大会に向けて逆算する場合は、大会別 納期逆算カレンダーで注文の目安日を確認できます。PARIS GEN2とSTRATOS BREEZEの違いと仕様はEPIC Flagship カスタムオーダー特集に、FULL BREEZEの仕様はFULL BREEZEのカスタムオーダー商品ページにまとめています。
エアロスーツに関するよくある質問
エアロスーツは初心者でも着られますか
着られます。ただしレース用の細身の作りのため、まずは出場するレースや高強度の練習に用途を絞り、普段の練習はジャージ+ビブショーツと使い分けるのが現実的です。
エアロスーツとスピードスーツは同じものですか
ほぼ同じものを指します。「スピードスーツ」「ロードスーツ」「ロードレーススーツ」はブランドごとの呼び方の違いで、いずれもポケット付きのロードレース用一体型ウェアです。
エアロスーツはヒルクライムでも有利ですか
高速区間が含まれるコースや脚力のあるライダーでは有利です。低速の登りが中心なら通気性を優先し、FULL BREEZEやSTRATOS BREEZEのような高通気モデルを選びます。
エアロスーツのパッドは選べますか
BIORACERのEPICシリーズはVAPOR PAD 2.0 SPSが標準で、ウェアサイズに応じて3サイズのパッドが自動で割り当てられます。オプションでパッドの変更も可能です。
エアロスーツのお手入れで気をつけることはありますか
ネットに入れて洗濯機の弱水流で洗い、乾燥機は使わず陰干しします。袖のストライプ生地や襟のパイピングは熱に弱いため、アイロンも避けてください。
エアロスーツは1着からカスタムオーダーできますか
新規は3着から、追加は1着から注文できます。すでにデザインをお持ちのチームは、PRJ番号を使って1着から追加注文できます。
EPIC PARIS GEN2・FULL BREEZEなどのコレクションモデルは、CaLORS公式通販で1着から購入できます。
EPIC PARIS GEN2・STRATOS BREEZE・FULL BREEZEを新規3着・追加1着から。納期は約5〜8週間が目安です。
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PARIS GEN2空力の基準モデル
STRATOS BREEZEPreycoolで涼しく
FULL BREEZE酷暑のヒルクライム向け