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INTERCOOLER VEST IIとFULLZIP INTERCOOLERのすべて
夏のレースは、暑さとの戦いだ。
夏のレースは、暑さとの戦いだ。体温が1℃上がるごとに、パフォーマンスは10%低下すると言われている。集中力は奪われ、筋出力は落ち、ミスが増える。どれだけ鍛えても、熱に無防備では勝てない。
BIORACER(ビオレーサー)がこの問題に出した答えが「INTERCOOLER(インタークーラー)」シリーズである。オランダの冷却テクノロジー企業「INUTEQ社」と共同開発し、気化熱の力で身体を内側から冷やす。INUTEQは軍・医療・モータースポーツ分野でも広く採用されており、2025年のF1日本グランプリ(鈴鹿)では、角田裕毅選手も参戦したあの熱戦の舞台で、複数のF1ドライバーが同社製の冷却ベストをレース前後の体温管理に使用。極限の環境下でも信頼される技術力が、INTERCOOLERにも活かされている。
世界で証明されたクーリングテクノロジー
このテクノロジーは、真夏のレースにおける“最後の切り札”となり得る。2016年、ロード世界選手権個人タイムトライアル。ドイツ代表トニー・マルティン選手がプロトタイプを着用し、金メダルを獲得。史上最多4度目の世界王者に輝いた。
さらに翌年、フルジップ型の初代INTERCOOLERはEUROBIKE AWARD 2017を受賞。その設計思想と機能性は、国際的にも高い評価を受けた。
東京オリンピックで金メダルを獲得した梶原悠未選手も、アップ・ダウン両局面でINTERCOOLERを活用。高岡亮寛選手は日本縦断ギネス記録挑戦の道中、酷暑下の体温管理に使用している。

初代FULLZIP INTERCOOLERはEUROBIKE AWARD 2017を受賞
INTERCOOLERが持つ3つの冷却アプローチ
INTERCOOLERシリーズが備える冷却メカニズムは、大きく3つに整理できる。
1つ目は「INUTEQ-PVA®」による気化熱冷却。水に1分間浸すだけで最大15℃の冷却を数時間持続できる。
2つ目は、通気性の高い構造による「風の利用」。走れば走るほど涼しくなる体感が得られる。
3つ目は、身体の中枢(首・胸・背中)を狙った冷却素材の配置。深部体温への効率的なアプローチを可能にしている。
INTERCOOLER VEST II ― クーリングの基本型、完成形へ
INTERCOOLER VEST II(インタークーラーベスト2)は、プルオーバー型の冷却ベースレイヤー。
首元にはICE POCKETを搭載し、氷と冷水で冷却タオルを濡らす設計。INUTEQ-PVA®素材と組み合わさることで、冷却効果が長く持続する。
また、通気性に優れたブルーメッシュ素材を全面に採用。氷が直接肌に触れない構造のため、快適性も損なわない。
動きやすさを重視したいランナーや、装備を最小限にしたいグラベルライドにもおすすめだ。なお、製品版ではアイスポケットは中央に配置され、間口も広く改良されているのでさらに使いやすくなっている。
FULL ZIP INTERCOOLER ― 着脱性と冷却範囲の拡張
FULL ZIP INTERCOOLER(フルジップインタークーラー)は、フロントファスナーによる着脱性が特長。その設計により、胸部中央に大きく冷却素材を配置でき、深部体温の低下をより効率的にサポートする。
背面にも冷却タオルを備え、前後両面からの冷却が可能。ポケットを省き、軽量化と冷却に特化した構造が際立つ。このフルジップ構造を採用した初代モデルは、EUROBIKE AWARD 2017を受賞。革新性と機能性の両立が認められた証である。なお、フルジップインタークーラーにはアイスポケットが付属していないので注意して欲しい。
日常も決戦も、冷却は戦術だ。
暑さにやられてしまった――それが、どれだけのパフォーマンスを奪ってきただろう。そしてどれだけの挑戦を、途中で終わらせてきただろう。BIORACERのINTERCOOLERシリーズは、暑さを制する新たな戦術である。ベースレイヤーでありながら、勝敗を左右する一手になる。真夏のライド、真昼のトレーニング、気温35度を超えるレース。そのどれにも、冷却という新たな戦術を。
INTERCOOLERシリーズの使用方法・保管方法・注意事項
※製品の納品時には湿った状態でパッケージされています。
【使用方法】
使用前に、製品を清潔な水に約1分間浸してください。
取り出した後は、軽く絞って水が滴らない程度に調整します。
身体に密着させるように着用することで、気化熱による冷却効果が得られます。
氷を入れられるモデル(INTERCOOLER VEST II)は、ICE POCKETに直接氷を投入してください。溶けた冷水が冷却タオルを湿らせ、冷却効果が持続します。
【保管方法】
使用後は、製品を水で洗い流し、清潔な状態にしてください。
長期間使用しない場合は、製品を完全に乾燥させてから保管してください。
短期間の保管や頻繁に使用する場合は、製品を少し湿った状態で付属の容器に入れて保管することも可能です。ただし、カビや臭いの発生を防ぐため、定期的に容器を開けて換気し、製品の状態を確認してください。
製品が完全に乾燥すると硬くなりますが、再度水に浸すことで柔らかさが戻ります。
【使用上の注意】
初回使用時は、軽く水洗いしてからご使用ください。
氷を使用する際は、ポケット部の構造を確認し、氷が肌に直接触れないように注意してください。
激しいこすれや強い引っ張りは、冷却素材を破損させる恐れがあります。
洗濯機を使用する場合はネットに入れて弱水流で洗濯し、乾燥機の使用はお控えください。
本製品は医療用冷却具ではありません。発熱や体調不良時の使用については医師にご相談ください。