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Mt.富士ヒルクライム2025レポート/来年もまた、富士ヒルで

Mt.富士ヒルクライム2025レポート/来年もまた、富士ヒルで

夢や目標を持ち、それに挑戦するアマチュアチーム、ビオレーサー・ドリームチーム。第21回Mt.富士ヒルクライムが彼らの舞台。2025年6月1日、メンバー全員が五合目のゴールに向けてスタートを切った。メンバーのレポートに先駆けて公開する、ビオレーサージャパンのスタッフによる富士ヒルレポート。

絶好のコンディション

山の天気は変わりやすい。斜面を登るように風が吹くと上昇気流になり、雲が発生する。斜面を駆け降りるように風が吹くと、雲は出来づらくカラリと晴れる。風向きが少し変わるだけで上昇気流が下降気流になり、雲が出来たり晴れたりして、天候が目まぐるしく変わる。平地にはない、天気の気まぐれだ。

日本一の山である富士山を舞台に行われる富士ヒルも、天気に翻弄されてきた。前日までどうなるか分からない。実際、今年の富士ヒルも数日前までは土日共に大雨という予報だった。だから当日、朝5時にホテルのロビーで会ったある関係者は、「晴れましたね。よかった。本当によかった」と早朝から感極まっていた。大荒れにならない限り開催はされるが、せっかくなら青空の下で富士山を見ながら上ってほしい。全ての関係者はそう願っている。

その願いが天に届いたか、暑くもなく、寒くもなく。2025年、第21回のMt.富士ヒルクライムは、絶好のコンディションで行われることとなった。

快晴のスタート前、笑顔でリラックスするDREAM TEAMアンバサダーにんにんさん Photo by Mt.富士ヒルクライム実行委員会

 

美しい光景

ただし、前日は大雨だった。サイクルエキスポの試乗会や展示・物販ブースは大打撃。出展するメーカー関係者は大きなため息だが、当日に降るよりは前日に降ってくれた方がいい。

しかし、さすが参加者9000人の大規模イベント、雨でもサイクルエキスポはにぎわった。ビオレーサーブースにはドリームチームのOB・OGも訪れ、ちょっとした同窓会の様相である。トークショーなどいくつものイベントが行われるメインステージには、急遽屋根が設置された。ビオレーサー・ドリームチームの登壇イベントは、雨脚が最も強くなった昼過ぎに行われたが、始まるや否や多くの観客が集まった。この大雨だから観客はちらほらだろうなと半ばあきらめていたが、ドリームチームの人気・知名度のアップを実感した。

富士ヒルEXPOで登壇するDREAM TEAMメンバー Photo by Mt.富士ヒルクライム実行委員会

静かに闘志を燃やすDREAM TEAM510さん Photo by Mt.富士ヒルクライム実行委員会

無事に終わり集合写真。全員がレース本番を迎えることが出来た。Photo by Mt.富士ヒルクライム実行委員会

大会当日、朝6時前からスタートラインに並ぶメンバー全員を見送る。前日の雨が五合目付近では雪になっているとの情報もあり、心なしか富士山の雪化粧も濃くなっていたように見えたが、参加者は無事にゴールまで登り切ったようだ。昼過ぎには、ドリームチームの面々が下山してくる。目標に到達した人。惜しくも達成ならなかった人。結果は様々だが、メンバー同士労いを交わす光景は美しいものだった。

あるメンバーは、「レース中、何人もの参加者に『ドリームチーム頑張って!』と声をかけてもらいました。それが力になりました」と語っていた。チーム発足当初は色物扱いされたりエントリー権の付与に対する嫉妬もあったというが、徐々に受け入れられている。

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届かなかったとしても

今年はタイムを落とした参加者が多かったようだ。気温と天候はよかったから、風向きが悪戯をしたのだろうか。ヒルクライムレースとしては高速になる富士ヒルならではの罠だったのかもしれない。

しかし、獲得したリングの色が願っていたものとは違ったとしても、2025年6月1日の富士山五合目を目指してトレーニングを積み、力を振り絞って愛車をきしませて、自転車乗りとして輝いた1時間とちょっとの記憶が持つ価値は薄まらない。

目標を掲げ、計画を立て、サイコンと睨めっこをして、どんなタイヤを履こうかどんなギヤ比にしようかと考えて、愛車の整備をして、試走をして、ときには失敗や挫折もしながらも、宿の予約をして何時間もかけて富士北麓公園までやってきて、早起きをして、緊張を隠しながらスタートラインに並んで、ドキドキしながら走り出して、仲間に励まされながら、仲間を励ましながら、五合目のゴール地点に立ったその事実の素晴らしさは変わらない。来年もまた、富士ヒルで。

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