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すべてを失ったヨーロッパ遠征──盗難事件に遭った若き日本人シクロクロス選手たちの挑戦
Bioracer Japanは、シクロクロス選手・梶鉄輝さん、そして彼が運営する「Olanda Base」の活動を、長年にわたりサポートしてきました。
オランダを拠点に、若手日本人選手たちがヨーロッパの舞台で挑戦する姿を、ウェアという形で支え続けています。
そんな彼らに、思いもよらぬ悲劇が襲いました。
レース機材から生活用品、パスポートに至るまで、遠征の命綱すべてが盗まれるという前代未聞の事件。それでも彼らは諦めず、再びスタートラインに立とうとしています。

■ レース直前の悲劇──高速道路SAでチーム車両ごと盗難
2025年10月中旬、スペイン・ジローナでの合宿を終えた梶鉄輝選手と遠藤絋介選手は、ベルギー・オランダのレースに向かう途中でした。しかしフランス・リヨン郊外のサービスエリアで食事をとっていたわずか30分の間に、チームの車両(Iveco Daily)ごと、装備一式が盗難に遭います。
車内に積んでいたのは、以下の通り遠征に必要不可欠な機材すべて:
- Giant製シクロクロスバイク ×5台
- Trek製シクロクロスバイク x 1台
- ホイールセット ×5、予備チェーン、コンピュータ類
- レースウェア、シューズ、グローブ、補給食、工具
- ノートPC、パスポート、現金、財布
残されたのは、着ていた服とスマートフォンだけ。選手としてはもちろん、人としての生活すら立ち行かない状態に陥りました。

「唯一残ったのは、着ていた服だけでした。」 — 梶鉄輝
■ 選手として、人として──支援に回る決意
その後2人はフリックスバスを利用してベルギー・リエージュへ戻り、チームメカニックの協力でOlanda Baseの拠点であるオランダ・ワーテルスレーに帰還。
装備がない中で出場予定だったレースには出場できなかったものの、梶選手は自身の出走を諦め、チームの女子選手(渡部春日)のサポート役に回ることを選びます。
この出来事を通して、彼が掲げる「チームで戦う」という理念が、より深く周囲に伝わりました。
■ そして再出発へ──クラウドファンディングの輪
この窮状に対し、SNSやインスタグラムを通じて国内外から支援の声が届き始めます。
梶選手が立ち上げたクラウドファンディングには、開始から24時間で2,100ユーロ(約33万円)以上の支援が集まり、支援の輪は今も広がり続けています。

この活動は単なる金銭支援ではありません。「どんな困難に直面しても夢を諦めない姿勢」に共鳴した人々のエールこそが、彼らの原動力です。
▶︎ クラウドファンディングページはこちら
https://olandabase.github.io/vehicle-relief/
■ Olanda Baseとは?
Olanda Baseは、シクロクロスやロード競技に取り組む日本人若手選手を、ヨーロッパで育成・支援するプロジェクトです。拠点はオランダ南部のワーテルスレーにあり、現地滞在、レース参戦、生活支援を含む「ベースキャンプ」として機能しています。
所属選手はユース世代からエリート選手まで多岐に渡り、近年ではトライアスロンやMTBなどジャンルを超えた広がりも見せています。

■ 梶選手からのメッセージ
「チーム車両の盗難は大きな痛手でしたが、支援してくださる皆さんの声が私たちの力になっています。この出来事をきっかけに、Olanda Baseの存在や活動の意義をより多くの方に知っていただき、“挑戦する人を支える拠点”として、新たな一歩を踏み出したいと思います。」
— 梶鉄輝(Olanda Base代表/シクロクロス選手)
■ Bioracerとして、これからも
不運な事件を乗り越えようとする彼らの姿勢に、私たちBioracerも勇気をもらいました。
今回のような逆境に直面しても、「挑戦する人」を支えるのがBioracerの使命です。
この先も、Olanda Baseとともに、世界を舞台に戦う日本の若きアスリートたちの夢を支え続けていきます。
