【Bioracerサポートチーム】愛三工業レーシングチーム 全日本自転車競技選手権 レースレポート
Photo : Sonoko TANAKA
BIORACER Japanでは、サイクルスポーツ強豪国である本国ベルギーをはじめ、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグなど各国ナショナルチーム採用サイクルジャージ同様の、ハイクオリティなカスタムサイクルジャージを日本のお客様にお届けしています。
UCIアジアツアーに参戦しているBIORACER製ジャージを採用する「愛三工業レーシングチーム」のチームマネージャー別府様のレースレポートをお届けします。
愛三工業レーシングチーム 全日本自転車競技選手権 レースレポート
今年も日本一を決める全日本選手権が静岡県富士スピードウェイで行われました。優勝するとチャンピオンジャージを1年間着用する権利を得れる以外にも、ロードレースでは15位までUCIポイントを獲得できる(U23は10位まで)ので、チームにとって非常に重要な大会です。
愛三工業レーシングチームからは、ロードレースエリート男子に5名、U23に2名、タイムトライアルエリート男子に1名、U23に2名出場しました。
第23回全日本選手権個人タイムトライアルロードレース大会
終始雨模様のサーキット。限界の走行が要求される。
Photo : AISAN RACING TEAM
全日本選手権が行われた1週間は天候が不安定で、終始雨予報が出ていました。個人タイムトライアルが行われた27日木曜日も朝から雨が降り続いていました。コースは自動車のサーキットで、さらにテクニカルなコース設定のため非常に滑りやすい場所が多く、慎重なコーナーリングが要求されました。
先におこなれたU23男子のタイムトライアルでは、優勝候補の大前翔と中川拳が出場。大前が序盤から良い感じに飛ばしましたが、後ろからスタートした選手に追い抜かれたところでペースが乱れ、タイムを落としてしまいました。しかし大きく遅れることなく、4位でフィニッシュしました。
もう一人U23に出場した中川は、1週目のFUJITSUBOコーナーで落車。フレームが破損してしまい、代車で走り22位でフィニッシュしました。中川も優勝候補だっただけに残念な結果になってしまいましたが、調子は悪くなかっただけに、2日後のロードレースでの挽回を期待しました。
エリート男子に出場した渡邊翔太郎は序盤からペースを上げることができず、周回をするごとにタイムが落ちてしまい、結果3分53秒差の16位でのフィニッシュになりました。
第88回全日本自転車競技選手権大会ロードレース大会
U23 男子は濃霧の中のレース。レース距離が短縮される。
Photo : Sonoko TANAKA
個人タイムトライアルから2日経った29日土曜日も朝から雨が降り、厳しいレースになることが予想されました。U23男子には大前と中川が出場。朝から出ていた濃い霧のため、大会が危険と判断して距離が162kmから119kmに短縮されました。この結果からかスタートから位置どりが激しく行われ、後続では落車も多発していました。
大前と中川は常に15番手より前で走り、落車のリスクを回避。よく見える場所でレースをしていました。中盤になると、大前が少し位置を下げ始めてしまいます。今シーズン2月からレースが続き、慣れない遠征ばかりの生活でなかなか疲労が回復せず、全日本も気持ちは強かったものの、本調子で挑むことができずにいました。
後半になるにつれてメイン集団は人数を減らしていきました。中川は常に5番手くらいを走行して調子の良さをアピール。そのまま勝負に絡むと期待していましたが、ラスト1kmで5番手につけていた中川のすぐ前の選手が落車。その選手に前輪をすくわれて中川も落車をしてしまいました。最後までいい位置で走れていただけに非常に残念な結果になってしまいました。
U23の2名は、本人たちも煮え切らない気持ちでいっぱいでしたが、2名とも新しい経験をしている今シーズン、各々の課題をこなしていろいろな壁を越えています。2名とも能力の高い選手なので、今度はこの悔しさをバネに続くレースで晴らしてもらいたいです。
長丁場のエリート男子。激しいレースの中、3 名がUCI ポイント獲得
Photo : Sonoko TANAKA
U23の翌日30日日曜日に行われたエリート男子。この日も雨でしたが、雨自体はあまり降っておらず、U23より良いコンディションで行われました。チームの目標は優勝!と言いたいところだったのですが、これまでのレースを見ていて、今大会に出場している優勝候補の選手と比べると、現在の愛三の選手ではまだ個々の力で及んでいないので、皆で犠牲になって優勝を目指すというより、より多くの選手が先頭に残る、上位でフィニッシュすることを目標にしました。
先頭に多く残ることも後半に有利にレースを運べること、そして上位でより多い人数がフィニッシュできれば、UCIポイントも多く獲得できることなど、チームの現状に合わせました。なので展開は消極的だったかもしれませんが、チームとしては苦渋の選択でした。しかしこの選択が結果的にはチームに良い結果をもたらしました。
また、今回は住吉と岡本がディスクブレーキを装備したバイクに乗りました。二人とも下りのコーナーリングの安定感が全く別物だとディスクブレーキを装備したバイクの有効性を話していました。
レースは1周目から位置取りと逃げたいアタックが起こりハイペースになり、メイン集団で位置取りが後方になってしまった選手たちが続々と遅れていました。特にプライベーターの選手たちでしたが、普段は後半まで残るような選手たちも含まれていました。愛三の選手たちは前方に固まり良い位置でクリアしました。
前半の逃げのチェックには早川が積極的に動いていました。中盤になると1名の逃げが決まり、集団が落ち着きました。この時点でアタックをしていた選手とそれを追っていた選手たちに疲労の色が見え始めました。選手権は長距離でコースが厳しいので力を見せたものから脱落していくサバイバルなレースですが、今回も例外ではありませんでした。
後半になると逃げが捕まって、メイン集団が活性化します。トレックセガフレードの別府選手がアタックをすると、岡本が反応して動きに同調します。その動きで力を削られたメイン集団から最後の勝負を決めるべく、有力どころも動き始めました。
そんな中、補給地点で早川が少し前に出たところに今回の上位3名のシマノの入部選手、バーレーンメリダの新城選手、チーム右京の横塚選手が乗ってきました。早川は前半から動いていたのでついていくことができず、そこから脱落してしまいます。その時点でメイン集団には早川、岡本、今年新加入の草場が残っていました。3名とメイン集団は同じくらいのペースで走っていましたが、メイン集団ももう虫の息で、ペースが上がりません。そのうちにメイン集団もバラバラになり、草場が追走の4名に入りました。
先頭の3名は捕まえることができませんでしたが、草場は後続のスプリントで、最後1名がアタックして3名のグループの2番手でフィニッシュして6位に入りました。エリート1年目の選手では1番の成績でした。また、中盤アタックに反応していた岡本が11位、前半から動いていた早川が14位でフィニッシュして、3名がUCIポイントを獲得しました。完走25名の厳しいレースでしたが、 5名中3名が優勝争いに残れたことはチームとしても、選手たち自身にとっても自信となりました。
総評
Photo : Sonoko TANAKA
今年は、レースの招待状が思ったように取れず、前半戦は海外でのレースが少なくなってしまいました。しかし、すぐに目標を国内UCIレースと全日本選手権と設定し直して、準備をしてきました。その結果、エリート男子では3名がUCIポイント獲得、特に1年目の草場の活躍は予想外でしたが、嬉しい悲鳴でした。
また要所要所で動けていたこと、有力選手のアタック合戦にもしっかりと反応できていたことも、チームとして機能していたことを表しています。今後もこのような経験をすることで、優勝に近づいていけると思います。 U23男子は落車など、力を出し切れない結果になってしまったのは残念でした。まだ悔しさを晴らすステージは用意されているので、そこで思う存分力を発揮してもらいたいです。
愛三工業レーシングチーム
チームマネージャー 別府 匠
レースデータ
レース名:第88回全日本自転車競技選手権ロードレース大会
第23回全日本選手権個人タイムトライアルロードレース大会
開催地:富士スピードウェイ
カテゴリー:ナショナルチャンピオンシップ
開催期間:6月27日(木)〜6月30日(日) 4日間
遠征期間:6月25日(火)〜6月30日(日) 6日間
距離:個人タイムトライアル U23男子26km、エリート男子39km
ロードレース U23男子 119km、エリート男子 227km
レース結果
個人総合時間賞32位草場 啓吾ー
ステージ | 順位 | 選 手 | UCIポイント |
個人タイムトライアル U23 | 4位 | 大前 翔 | 5ポイント |
個人タイムトライアル エリート | 16位 | 渡邊 翔太郎 | ー |
ロードレース U23 | 35位 | 中川 拳 | ー |
ロードレースエリート | 6位 | 草場 啓吾 | 30ポイント |
11位 | 岡本 隼 | 5ポイント | |
14位 | 早川 朋宏 | 1ポイント |
愛三工業レーシングチーム出場メンバー
【選手】
U23男子:大前 翔、中川 拳
エリート男子:早川 朋宏、渡邊 翔太郎、住吉 宏太、草場 啓吾、岡本 隼
【スタッフ】
別府 匠 チームマネージャー
西谷 泰治 テクニカルディレクター
小松 定俊 メカニック
渡会 菜々 アシスタント
久保 真一 トレーナー(201 マッサージ療院)
愛三工業レーシングチーム・主な採用サイクルジャージ
RACE サイクルジャージ
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ビオレーサーの中でも、よりレース志向の高いサイクリストのためのビブショーツ。機能的で全方向に伸縮するSIRIOを採用、まるで第二の皮膚の様な快適な着心地としっかりと筋肉をサポートするコンプレッション機能を提供。長時間のレースで高いパフォーマンスをキープできます。
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